俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
突如出現したアクリル板の階段を、竜堂は物凄いスピードをつけて、段飛ばしで駆け上がる。
あっという間に彼の元へと辿り着き、最後のステップを蹴り上げて、拳を振り上げて彼に飛び掛かっていく。
「飛んだって逃げらんねえよ!…光流!」
拳がまた白く光る。
「くっ…!」
翼をはためかせて、ひらりと回避する。
タイミング的には間一髪といったところで、翼の彼は顔を歪めた。
飛び掛かったが避けられた竜堂。
しかし、足場がそこになく体をガクンとさせていた。
そこは、何も無い空中。
…落ちる?!
(…あっ!)
と、思ったのは束の間で。
何も無い空中で、飛ぶことが出来ずに落下しそうになっていた竜堂の前…というか、その落下地点になると思われる足元に、あの灰色に輝くアクリル板がパッと出現。
足場が、急に現れた?!
…しかし、驚かされるのはこれだけではなく。
続きもあった。
そのアクリル板に華麗に着地した竜堂だが、息づく間もなく敵さんの方向にキッと顔を向ける。