俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~



まだ、戦える…のか?



それは、強がりなのか。もしくは、本当に戦えるのか。

その道に通じていない、術者ではない俺には判断つかない。



なずなの蹲っていた場所には、数滴の血痕と。

腹に刺さっていた、あの黒い羽根が二本、落ちていた。



(………)



…何となく、その羽根に手を伸ばす。

すると、背後から「触ってはいけません!」と、声が響き、その手を止めてしまった。

性懲りも無く(…)俺の後ろにまだ隠れている、残念な彼女だ。



「…そ、その羽根、まだ魔力がうようよいってます。さ、触ったら毒に侵されちゃいます」

「え、すみません…」

「…な、なのに、なずちゃん大丈夫なのかな。不動縛は解けていても、毒は解けてないはず…」

「…え?!」



彼女の一言に、驚かされる。



「ど、毒は治癒術式で浄化しないと無くなりません。わ、私達の中でそれを使えるのは玲於奈さんだけ」

「は?そんな…!」

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