記憶シュレッダー
由香里と蒔絵の言うことが本当なら、あたしはもう1度このシュレッダーを使っていることになる。


1度使えってしまえば、2度も3度も同じじゃない?


そんな気持ちが浮かんできた。


あたしはそっと布を取り外し、シュレッダーを見つめる。


あの言葉は間違いなくこのシュレッダーが言っている。


だけど今は無言だ。


「あたしの嫌なことを、忘れさせてくれるの?」


質問しながら、シュレッダーに触れた。


ツルリとした感触。


だけどそれはまるで人の肌のように暖かく、ドクンドクンと脈打っているように感じられた。
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