記憶シュレッダー
終焉
すべてを思い出したあたしはその場に立ちつくした。


どうして自分があんなことをしたのか。


どうしてあんなに手慣れていたのか。


シュレッダーを壊したことですべてを思い出したのだ。


それだけじゃない。


あたしはもっと前からこのシュレッダーを使っていた。


学校で陰口を言われたこと。


テストの点数が良くなくてからかわれたこと。


祖父に怒られた、幼いころの記憶まで、すべてが波のように押し寄せてきて、足元がふらついた。


立っていることができなくなって、その場に座り込んでしまう。


それは悪意のある走馬灯のようだった。


消してしまったひとつひとつの出来事が脳裏に映像となって流れていき、その映像に酔いそうになる。
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