記憶シュレッダー
「え?」


「由香里、目腫れてない?」


指摘された由香里が目元を隠した。


確かに、そう言われてみれば普段よりボテッとしている気がする。


「べ、別にそんなことないよ」


慌てて言うのが余計に怪しい。


「どうしたの由香里、なにかあった?」


質問すると由香里はグッと唇を噛んで黙り込んだ。


その目にはジワリと涙が浮いてきている。


「ちょっと由香里、どうしたの?」


これには蒔絵も慌てたようで、すぐにハンカチを取り出している。


「うん……実はね……」


由香里は時々言葉を詰まらせながら昨日の出来事を話してきた。


昨日由香里は塾がある日だったようだ。
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