サッカーボールと先輩とアタシ


優しく微笑んでいた。

「昨日聞いたの、観覧車の中で。」

亜子は真っ直ぐにアタシを見つめた。

「先輩、万桜の事好きなんですか、って。」

うそっ。

「そうしたら頷いて、笑いながら、アイツ好きなヤツいるけど、って。」

「………。」

言葉が見つからない。

「大丈夫だよ。そんな気がしていたし。先輩に好きな人がいても、それが万桜でも私は変わらず先輩が好きだから!!」

「うん…。」

泣きたくなった。

亜子の気持ちはアタシと同じかもしれない。

「万桜の好きな人って誰??前の学校の人??」

思い切って潤くんの事を話した。

本当はずっと聞いてもらいたいと思っていた。



「万桜も辛かったんだね。」

亜子はそう言って、泣いていた。

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