SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
……なんだこいつ。
顔はシュッと整っていて、いかにも優等生っぽい男だけど、中身がなんか曲がってる。
強気で妙に自分に自信を持っているし、みんながみんな自分の言いなりになると思っている。
しかも今視えたけど……
今のあたしみたいに、しょっちゅうここへ女の子を連れ込んでは、なにか変な事をしているみたいだ。
「別に、好きじゃない」
そう言うと、男は動きを数秒とめた。
「……聞き間違いか? 今、 お前何て……」
「だから、別にまったく好きじゃない」
「……っ、は⁉︎ オレはあの黒崎蓮だぞっ!」
男は表情を一変させ、信じられないといった顔をした。
「だから? それがどうしたの?」
「……っ、おまえ! オレに興味があるからさっきクラスに来たんじゃないのか!」
「あ〜、あれは無理やり仕方なく。仕方なく連れてこられたんだ」
「……仕方なく、だと……?」
たちまち流れる不穏な空気……
「こんなに侮辱されたのは初めてだ」
瞳の奥を暗くして、何故か男は不機嫌になる。
そのままグッと顔を近付けた……
「……?」
至近距離。
数秒あたしと目を合わせ、男は再び口を開く……