竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
[午後になったらいける?]
[もちろん。今日のお散歩は、エミーナ達にも協力してほしいの」
[協力?]
[ええ。ラドンをお家に返してあげたいから、おうち探しを手伝って?]
[つまり、いつもと同じゲームね?]
 
 エミーナは目を輝かせる。

[そうよ。そのために、早くお掃除を終わらせちゃうわね]
[やったぁ!]

 エミーナは前足をぴょんぴょんさせて喜びを表現する。

 残念ながら、ミレイナは最後までラドンとは言葉を交わすことができなかった。そのため、ラドンの家の正確な位置がわからないのだ。

 ジェラールによると、ラドンを拾った場所はわかるものの、その近くに親ドラゴンはいなかったという。恐らく、落下して傷ついた後、自力で巣に戻ろうとして彷徨ったのだろう。

 だから、今日はジェラールがラドンを拾ったという場所にとりあえずは向かい、そこからはフェンリル達に匂いを頼りに家を探してもらおうと思ったのだ。

(よし。早めにお掃除を終わらせなくっちゃ!)

 ミレイナは今日もやる気を漲らせると、早速ほうきを手に取ったのだった。

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