誘拐は激甘生活の始まりIv
「えっ!?どうして鍵を……」

首輪の鍵はダミアン以外持っていないはずだ。ダミアンがいる時や許可してもらった時にしか首輪を外してもらっていない。驚く杏菜にいたずらっぽくリオンは笑う。

「内緒!一緒にお出かけしようよ。今日、とってもいい天気だよ。こんな部屋にいたら退屈で死んじゃう!」

リオンはそう言い、杏菜の手を取る。混乱する杏菜はそのままリオンに連れて行かれてしまった。



お城の抜け道を通り、杏菜がリオンに連れて来られたのはクラリネッタ王国の街だった。街には連れて来てもらえたことなどなく、杏菜は「わあ……!!」と美しい街並みに感激の声を上げる。その様子を見て、リオンは満足そうに微笑んでいた。

「こっち来て。さすがにそんなロリータっぽい服は目立っちゃうし、俺も一応まだ王子っていう立場だから変装するよ」

そうリオンに手を引かれ、杏菜は庶民が通う服屋に連れて行かれる。イギリスの植民地だったこともあったからか、服は日本のように可愛らしいを重視したものよりも、胸元が大きく開いたセクシーな服が多く並べられていた。
< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop