紅の華_


「あぁ…お前らの大事なお姫様なら、向こうで息絶えてんじゃねぇかな」


なんで貴方は嘘をつくんだろう。

私には分からない。
でも蓮は彼が…今藤 瞬が嘘をつく理由を知っていたからこそ、助けたかったんだ。





「テメェ…!!」


珍しく逞が怒ってる声がする。

いつも温厚で、優しい逞が。





それでもこの窓から見える貴方は、平気で嘘を吐き続けるんだね。













「最後までいい声で鳴いてたっけなぁ…。“蓮助けて〜”ってな!」






───もうやめて。




それ以上は、きっと貴方が貴方を殺してしまうから。







< 187 / 225 >

この作品をシェア

pagetop