紅の華_
何故だか分からないけれど、私はいつからか誰かを頼るのを怖がっていた。
誰かを頼れば、その誰かが消えてしまいそうで。
……だって、あの時も────
「…っ」
頭が、割れそう。
ぐるぐると頭の中で色んなものが回っていく。
「芽依?!」
“芽依”
この声は………藍?
でも少し違うような……
「…大丈夫、ゆっくり息して。」
“芽依、大丈夫だよ。”
似てるけど、違う人なの。
「 ───貴方は誰? 」