紅の華_


そこまでは何とか、目覚めたばかりの私の脳でも理解出来た。

けど今は、布団の中に入ったまま座っている私の腰に布団の中から抱きついてる藍。

頭では理解出来ても、体がこう…受け入れられないというか、さっきから胸のとこあたりが熱い気がする。



「顔赤い。熱ある?」


近づいてくる顔にきゅっと目を瞑る。

前髪をかき上げられ、おでことおでこがぶつかった。




「…熱はない、か。」


ただの体温を比べるだけの行為なのに、何故こんなにもドキドキするのか。




私は、それに気付かないふりを続けていた。








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