前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 笑顔を向けられるのは、いつぶりだろうか。

 ずっと、侮辱(ぶじょく)の笑みだけだった。

 本当に久々に、私に向けられる“本当の笑顔”。

 ……輝いて、見えた。

 まだ、私のような人間に笑顔を向けてくれる人がいる。

 それがどれだけ、私を救ってくれただろうか。

 私は窓の傍に立ち、外を見下ろす。

「今日は…天候を変化させる、“能力”の育成…」

 “能力”は、ほとんどが五つの属性に属する。

 水、炎、氷、風、雷の五つ。


 水能力は、大気中の水蒸気や水溜り、強力なものでは海をも操ることができ、雨を降らせたり、人工的に虹を作れたり、大きな波も生み出せる。

 炎能力は、炎によって雲を晴らせ日本晴れにしたり、木々や家屋、最悪の場合は人間をも一瞬で灰と化せるほどの火力を出せたりする。

 氷能力は、全てのものを一瞬で凍らせることができ、雪を降らせることもできる。この持ち主には、現在、氷の彫刻師も存在するという。

 風能力は、風を呼ぶことができる。竜巻や嵐など、規模の大きなものから、そよ風や空調の代わりなどの弱い風まで様々だ。

 雷能力は、雷雲の力により電気を発することができる。電力はいつの時代にも必要だが、発電所にはたくさんの雷能力使いがいるらしい。

 “能力”には、もちろん強弱もあるのだ。



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