前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 ならば、どうする。

 隙を見つけて、逃げる?

 いや…私にはこの人の隙を見つけられる自信がない。

 いろいろと考えているうちに、旧校舎の…保健室に着いたようだった。

「…ほけん、しつ…」

 保健室、ベッド。

 男女で、2人きり。

 嫌な予感が、脳裏をかすめる。

 もしや、この人は…。

 少し身構えたとき、ぐっと腕を引かれた。

「ッ…!」

 私は、ベッドの上で押し倒される形になる。

 やっぱり、この人は…!

「覚悟はできたか?“無能力”ちゃんよ」

 嫌だ…嫌だ……っ!!
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