前世で生き別れた夫と、来世で再び会いました。
 センリは私の首元に目線を落とす。

「その証だってあるんだからなァ…?」

「彼女を返せ」

「嫌だね。やっと“また”玩具にできたんだ…手放すわけがないだろ」

「…また…?」

 センリ…余計なことを…!!

「なァ、リナさんよ」

「………」

 私は無言を突き通す。

「お前はどっちがいい?」

 そう言い、センリは私の耳に唇を寄せた。




「…アイツに、俺たちの前世での繋がりを話すか…それとも、アイツの前で…俺に襲われるか」


「ッ……!?」

 前世を話すか…襲われるか…?

 ……どちらも嫌だ…。

 でも、それを言ったら…問答無用で襲われるか、前世を話されるかするだろう。

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