夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
お母さんから智也が突然いなくたなったと聞かされて、俺は妙な胸騒ぎがした。


俺は近所の人や同級生たちと一緒に智也を探した。


どうも落ち着かない。


なんだろう、すごく、嫌な予感が……。


気のせいであってほしいと願ったが、気のせいであってほしい嫌な予感ほど当たるもので……。


「智也!!」


次に智也に会った時は真夜中で、何度智也の名前を呼んでも返事をしてくれなかった。


服も髪も海水でびしょ濡れで、顔は真っ青だった。


「智也くん、いじめられてたの……」


「千尋のこと大好きだったから、千尋くんには心配かけたくなかったんじゃないかな」


「崖から、海に飛び降りたみたい」


智也を探していた同じクラスの女子が、俺に泣きながらそう言ってきた。
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