夜になる前にわたしを照らしてくれたいちばん星は君でした。
水城くんはいつもどうやって登ってるの?


心の中でそう問いかけた時。


「本当に下手だなー」


背後から聞こえたのはあの聞き覚えのあるあの笑い声。


「みっ、水城くん!?」


振り返ると、ウェットスーツ姿の水城くんが立っていた。


「よっ」と言って片手を軽く上げた彼の髪やウェットスーツは濡れていて、さっきまでサーフィンの練習をしていたのだと分かった。


……なぜ練習中にここへ?


「さっきまで練習してたんだけど、さっき父さんに急な仕事が入ったんだよ。1人で練習してたら必死に岩に登ろうとする織原さんが見えたから来てみたんだ」


まるでわたしの心を読んだかのようなタイミングで水城くんはそう話した。
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