有 料 彼 氏





さまざまな骨折が完治し、ようやっとの登校。


母親に、知らない男から殴られた、そう言われた。あたしにその記憶はないけれど、クラスメイトの女の子が教えてくれたのよ、そこまで言われたから信じるほかない。


教室に入った瞬間、口元を押さえる黒髪ボブの子が目に入った。……気分が悪いのだろうか。


金髪のギャルが、背中をさすりながら「大丈夫だよ」と繰り返している。




記憶はあとから消したの。なんもわからないって。




小さなささやきが、特に心に留まらず空気に溶ける。

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