気がついたら好きだった
遊園地に着き、ゲートをくぐると紗奈が、

「ジェットコースター乗ろ?」
と、言ってきた。みんな絶叫系は大丈夫だったので乗ることになった。

「凛、体調はもう大丈夫なのか?」
並んでる時に絢斗が聞いてきた。

「うん、もう大丈夫だよ」
そんな会話をして、思い出した。

今日、病院だ...




私達の順番がまわってきて、紗奈たちが1番前に座り絢斗と、私はその後ろに乗った。


ゆっくりゆっくり登って行く、
いつになったら落ちるのか分からず、目を瞑る。

「あっ、やばい、あと、5秒」
そう、絢斗が隣でカウントダウンをし始めた。

「5.4.3」
で、落ちた。
「あっ、わりぃ」

「きゃーーーきゃーーー」



ジェットコースターから降りて即効、絢斗の腕をつねった。

「いったー」

「さっき嘘ついたから」

「いやー、間違っちゃった」
そうお茶目に笑いながら言ってきたのでまた、軽くつねった。

「いってー」

その後も何個か一緒に周り、お昼も適当に食べて、だんだん夕方に近づいてきた頃、律さんが、

「お化け屋敷入んない?」
と、言って来た。

本当に苦手だったので、

「私はいいです」
と、断わると、

「俺がいるから大丈夫だよ?」
と、絢斗が言った。

「いや、信用ならない」
と、言うと、絢斗は、膨れっ面になった。

「じゃあ、今だけ交換する?」
と、律さんがなぜか、そう提案した。
紗奈の顔を見ると、どこか悲しそうな顔をしていたので、私は、拒んだ。

「それは、ちょっと」

「いいじゃん、そうしよう!」
と、なぜか乗り気の絢斗
それに、つられてか...

「うん、今回だけね」
と、紗奈が言った。

「終わったら紗奈、一緒に観覧車乗ろうな?」
律さんが、そう抜け目なく言った。
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