気がついたら好きだった
「でも、青北高校の志摩先生っていう人は、来たよ」

冷や汗が出た。

「あの...」

「バイト許可証なんで出さないの?」
と、不思議そうに店長が聞いてきた。

「私、今特進クラスで、特進だと、許可がおりないんです」

「だからか...まぁ、一応、青北高校の子はいないって伝えといたけど...」

「そうですか...すみません、ありがとうございました」

「で、辞めたいの?」

「正直、辞めたくないです、でも...」

「大学に行くのなら、内申に響くもんな」

「...」

「正直、仕事も覚えてこれからって時だから辞めて欲しくはないけど...」

「はい、すみません」

「まぁ、大学進学して、またバイトしたくなったら戻っておいで!」

そう、明るく送り出してくれた店長を見て、余計に申し訳なく思った。
< 29 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop