気がついたら好きだった

病室で

気づいたら病室のベッドで仰向けになり点滴と呼吸器をつけていた。

しばらく、ボーっと天井を眺めていたら、足音が聞こえ、病室に唯斗君と看護師の谷さんが入って来た。

「目覚めてたのか」
と小さな声でつぶやき、私の手首で脈をとった。

唯斗君が聴診器を手に持つと、谷さんが、

「伊吹さーん、服少しめくりますね」
と、言ってきた。
その後も無言で、唯斗君は、私の下瞼を触り診察を淡々とやった。

「じゃあ、呼吸器外すから少し苦しくなるよ」
と唯斗君が言い、外した。

本当に苦しくなり、

「ハアッハアーハアー」
パニックに、なってしまった。

「落ち着いて呼吸して、吸ってー、吐いてー」

「ハアー、スーハースーハー」

「うん、もう大丈夫だな...、気分はどう?気持ち悪かったり頭痛かったりする?」
と、唯斗君が言った。

「いえ、大丈夫です」

「そっか」

「あの...私、今日帰れますか?」
と、聞いてみた。

「うん、帰れるよ、16時にお兄さんが迎えに来るから、それまでは安静にしてるように!」

「16時?今って何時ですか?」

「朝の10時だけど?」

「朝の10時…」

そして、私の事をじっと見ながら

「ところで伊吹さん、なんで、運ばれたか分かってますか?」
と、唯斗君が急に白々しく聞いてきた。
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