解体


創造神には、心も感情もなかった。


遠い昔、創造神となる前の話


ユウの兄が死んだ。


その兄を生き返らせるために長い、


長い年月をたった一人で


兄の魂が冥府に行かないように


魔力を注ぎ続け、誰とも話さなかったユウは。


心も感情も無に帰した。


兄が生き返った時でさえ、


何の表情も示さなかった。


生き返った兄はそんなユウに言った。


『ユウは、俺のために頑張ってくれた。


でも、俺がいない間に、


俺よりお兄ちゃんになったな。


今度は僕が弟になって、


ユウとずっと一緒にいてあげる。


ユウが生き返らせてくれたんだ。


僕たちは一心同体。


ユウが死ねば僕も死ぬ。


僕が死んでも生き返る。


ほら?ずっと一緒でしょ?


それに、ユウの魔力が僕の中にいっぱいある。


これなら、ユウが思ってることも感じてることも


俺がわかってあげられる。


大丈夫。一緒にいるよ。』


それから彼らは離れたことがない。


< 144 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop