溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
梨乃は慌ててかかとをおろした。
「ん? ここが赤いな……ああ、俺ががっついたから赤くなってるんだな」
侑斗は指先ですっと梨乃のうなじをなぞった。
意味深な動きに梨乃の体が震える。
「赤いってまさか……」
梨乃ははっと顔を上げ、侑斗が触れた場所を手で押さえた。
まさに自分には見えない場所だ。
「まさか、キス……」
キスマークと口にしそうになるのを梨乃は慌てて堪えた。
初めてのことに無我夢中でいつつけられたのかわからないが、侑斗が残したに違いない。
梨乃は口をパクパクさせて侑斗を睨むが、侑斗はただ笑顔を返し面白がっている。
「大丈夫。俺以外のオトコには見えない場所にしかつけてない」
「なにを言って……」
独占欲が混じる言葉に梨乃の心は踊るが、それを顔に出さないよう気を付け侑斗と距離を取ろうとした。
けれど車内は満員に近く、それは難しい。
こんなことなら侑斗の車に乗ればよかったと後悔した。
侑斗は普段車で通勤していて梨乃に一緒に乗っていくよう何度も声をかけていた。
けれどホテルで従業員たちに見られるのが面倒で梨乃が車に乗ったことはなく今朝も断ったのだ。
「遠慮なく梨乃をこうして抱けるなら、満員電車も悪くないな」
ささやく侑斗の声は弾んでいる。
梨乃は頷きそうになるのを我慢した。
いつも以上に混み合う車内もこんな風に侑斗の胸に守られるのなら悪くない。
というよりも、恥ずかしすぎて侑斗には絶対に知られたくないが、そのためだけに満員電車に揺られるのも悪くないと思う自分に梨乃は照れ、侑斗の胸に思わずぐいぐいと顔を押し付けた。
「ん? ここが赤いな……ああ、俺ががっついたから赤くなってるんだな」
侑斗は指先ですっと梨乃のうなじをなぞった。
意味深な動きに梨乃の体が震える。
「赤いってまさか……」
梨乃ははっと顔を上げ、侑斗が触れた場所を手で押さえた。
まさに自分には見えない場所だ。
「まさか、キス……」
キスマークと口にしそうになるのを梨乃は慌てて堪えた。
初めてのことに無我夢中でいつつけられたのかわからないが、侑斗が残したに違いない。
梨乃は口をパクパクさせて侑斗を睨むが、侑斗はただ笑顔を返し面白がっている。
「大丈夫。俺以外のオトコには見えない場所にしかつけてない」
「なにを言って……」
独占欲が混じる言葉に梨乃の心は踊るが、それを顔に出さないよう気を付け侑斗と距離を取ろうとした。
けれど車内は満員に近く、それは難しい。
こんなことなら侑斗の車に乗ればよかったと後悔した。
侑斗は普段車で通勤していて梨乃に一緒に乗っていくよう何度も声をかけていた。
けれどホテルで従業員たちに見られるのが面倒で梨乃が車に乗ったことはなく今朝も断ったのだ。
「遠慮なく梨乃をこうして抱けるなら、満員電車も悪くないな」
ささやく侑斗の声は弾んでいる。
梨乃は頷きそうになるのを我慢した。
いつも以上に混み合う車内もこんな風に侑斗の胸に守られるのなら悪くない。
というよりも、恥ずかしすぎて侑斗には絶対に知られたくないが、そのためだけに満員電車に揺られるのも悪くないと思う自分に梨乃は照れ、侑斗の胸に思わずぐいぐいと顔を押し付けた。