溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
視線を落としためらう梨乃に、侑斗は「だったら」とつぶやいた。

「明日は俺が梨乃に付き合うから、今夜は梨乃が俺に付き合え」
「え……?」

見上げた梨乃の唇に侑斗は素早く唇を重ねた。
小さなリップ音が部屋に響く。

「まあ、明日の予定には関係なく付き合ってもらうけどな」
「チョコレートも絶品だったが、俺にはこっちのほうが絶品の甘さだ」

再び侑斗が梨乃にキスを落とす。
かすめるようなあっという間のキスだが、これまでになく熱い唇に梨乃はドキリとした。
そして、これから始まる甘い時間への期待に体の芯がぞくりと震えた。




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