その先輩、取り扱い危険!
昼休みの憂鬱
こんな筈じゃなかった。

流石にそりゃ、私は高校デビューするような人間じゃないし、中身も見た目も通常運転。

中学校時代からのボブの黒髪と、化粧っ気の欠片もない顔。

これまた中学校時代から愛用中の某スポーツメーカの黒いリュックと学校規定のロファー。

いや、間違ってない。間違ってないと思う。

だって、校則は守らなきゃだし、入学当初からルールを破る勇気なんて私にはー……。

「ねぇ、マスカラおかしくない? 今日彼氏とデートなんだけどー」

「大丈夫、大丈夫。ありさ可愛いから。それよりグロス変じゃない?」

「っていうか授業だるいー!」

「バイト先の先輩が超イケメンでさ!」

皆、めちゃくちゃ高校デビューしてる……。

そしてちなみに今、わたしの席はマスカラを気にしている二宮さんに占領されている。きゃぴきゃぴとメイクの話とイケメンの先輩の話で盛り上がる二宮さんのグループに話しかける事なんてとてもじゃないけど出来ない。

っていうか怖い。リア充JK超怖い。

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