無限ループ
「いやあ」

はぁはぁと息を切らせ、痛いほど打ち付ける心臓の辺りをグッと押さえた。

さっと見渡せば、そこはいつもの見慣れた自分の部屋だった。

「ゆ、夢……」

息を落ち着かせながら、時計に目を向ける。

「5時半か……」

窓を少し開けて、扇風機をつけていたとはいえ、早朝の室内でも結構蒸し暑い。
でも、全身が汗でぐっしょりしているのは、この蒸し暑さのせいだけじゃない。きっと、今見た夢のせいだろう。

たぶん、昨日茜からあんな話を聞いちゃったせいだ。

すっかり目が冴えてしまって、もう一度寝られる気はしない。

そっと部屋を出ると、汗も寝覚めの悪さも拭い去りたくて、浴室に向かった。






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