ラブ♡ディスタンス【完】
「凪...」



志樹君が、低音の、甘い声で囁く。



私は溶けてしまいそうになるのを
必死に堪える。



『志樹く...ん...』



「ヤバいくらい、好き...」



『私...も...好き...大好き...』



やっとの思いで呼吸をし、
なんとか細い声でそう答えると


片手を私の腰の下に入れてきて、
グイッと引き寄せた。



密どころじゃない。

もう、私たちの間には

風さえ通り抜ける隙間はなかった。
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