月に魔法をかけられて
「それで美月ちゃんは?」

「いない……」

「そりゃあお前と一緒に泊まるわけないからそこにはいないだろうけど、帰ったのか?」

「わからない。だがメモが残してあった」

「なんて?」

「支払いは済ませてあるから鍵だけフロントに返してくれって……」

「それはおそらくお前をそこに泊めて帰ったんだよ。俺が美月ちゃんにお前のこと頼んだせいで、悪いことしたな。かなり遅かったと思うのに美月ちゃん大丈夫だったのかな? とにかくお前さ、月曜日に美月ちゃんにきちんと謝っておけよ」

「………………」

「おい壮真、聞いてるのか?」

「あ、ああ、聞いてる………」

俺は聡の電話を切ったあと、しばらく動けなかった。。
< 35 / 347 >

この作品をシェア

pagetop