月に魔法をかけられて
「石川さんは何を飲まれますか? 副社長は?」

2人に飲み物メニューを見せながら、一緒に料理メニューも見せる。

「壮真、お前ビール?」

石川さんは副社長にそう確認して店員さんを呼ぶと、ビールを2つといくつか料理を注文し、飲み物が来たところで、改めて4人で乾杯をすることになった。

「お疲れー」

「お疲れさまです……」

副社長と視線を合わせないように、小さな声でグラスをカチンと鳴らす。副社長も石川さんも一気にビールを半分くらい喉に流し込むと、『美味い!』と言いながらグラスをテーブルに置いた。
相変わらず2人ともビールを飲む姿もかっこいい。
そんなことを思いながらテーブルに置かれたビールグラスを見つめていると、いきなり石川さんが副社長を指差しながら金曜日の夜のことを話題に出した。
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