あの夜のこと忘れるなんて、出来ない。
あの夜が忘れることができない。
─︎─︎─︎私のこの状況は、なんでしょうか?
「……美優(みゆ)、もう一回しよっか」
「えっ? な、何を……というかなんで」
甘く囁く彼は、私の会社の……直属の上司で。その彼は、私を押し倒している。
「美優が言ったんじゃん、『慰めてください』『抱いてください』って……」
「えっ……、そんなこと言いました?」
「言ったよ、ちゃんとね」
う、嘘でしょ!? だけど考えてみれば……そんなことあったような……。
「……ん……っ」
頭の中の記憶をひとつずつ思い出そうとしていたら、キスをされた……あ、知って、る。
「思い出した? 美優」
「は、はい……ですけどあなたは、西島部長ですよね……?」
「そう、西島遥希(にしじま はるき)。美優の、先輩」
この人は、私の元教育係の西島部長。
だけどなんで、西島部長とこういう展開になったのか知りたいんだけど……。
「美優、俺と付き合おう」
は、はい……!? 今の流れでどうしたら、付き合うことになるの?
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