星空ラブソング


「豆も良いけどさ、次の恋は?」

「次って言われても」

「まだお休み期間?」

「うーん・・・」


私は涼花の問いに首をかしげながら、ストローでグラスの中の氷を混ぜて少し間をおいてから口を開いた。


「今は就活と卒論に集中かなぁ」

「えー、つまんない。恋してるときの方が、力湧いてくるくない?」


涼花は不服気に目を細め、椅子の背もたれに倒れこむように背中をつけた。


「涼花はそうかもしれないけど、私はそんなに器用じゃないのかも。就活と勉強と恋とバイト両立なんて難しいよ」

「あたしは、恋こそ人間を成長させてくれる素晴らしいものだって思うんだけどなぁ」

「ふーん」

私は、もうほとんど飲み干して氷が解けていくグラスの底を見つめた。

恋が人を成長させてくれるなんて、考えたこともなかった。

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