そろそろきみは、蹴られてくれ。
「何?」
「何って……?」
「だっていま、呼んだじゃん」
「え、あ、書いてあるのを読んだだけで」
「でもおれのこと、呼んだよね」
何? 再度訊ねられて、口をパクパクとさせる。
あらためて話すこと、すぐには思いつかない。
思いつかないのに急かされると、すきだって言ってしまいそうだ。
「た、橘が先に、わたしのことを呼んだじゃん」
「うん。でもおれは、ひみつだねって、言ったよ。ちゃんと話しかけた」
「……う」
どうしよ、何を話そう。