そろそろきみは、蹴られてくれ。
「紗奈ちゃん、場所、移動しよっか」
すべての授業が終わったので、放課後。花乃には先に、メッセージアプリで確認をとった。
“ 今日ちょっといい? ”
直接聞いたら圧力かなと思ったのと、目の前で “ 何かあった? ” と聞かれてしまったら、花乃が忙しくても、話してしまいそうだったから。
考えたつもりだったけれど、実際にはすごく無愛想で、失礼な文章な気もしている。
小さくうなずくと、花乃はわたしの手をひいてくれた。
教室を出る直前、椅子に座っている橘と目が合った。──気がした。