そろそろきみは、蹴られてくれ。


そろそろポテトとジュースがなくなるかな、という頃。


「紗奈ちゃんって、すきなひと、いる?」


唐突に、花乃が。


「……え!?」


その話になるとは思っていなくて、目を見開く。


「たまには女子高生らしいトークを、と思ってね」

「……そういう花乃は?」


こういう返し方をしたら、いるけれど濁した、みたいだ。失敗した。


「うーん、どうだろう。かっこいいなぁ、とか、こういう一面、すきだなぁ、とか。思うことはあるけれど、恋愛感情? って聞かれるとうなずけない」


紗奈ちゃんは? 聞き返したぶん、新たに聞き返される。

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