そろそろきみは、蹴られてくれ。


「うー、難しい!」


トレーの上に、空になったジュースのコップと、ポテトのカップが残る。


「体育祭までには答えを出して、体育祭を本気で楽しめるようにしないと!」


花乃がガッツポーズをつくったから、わたしは「そうだね」と笑いながら、同じようにガッツポーズをした。


「じゃあ、そろそろ帰ろっか」


ふたりで立ち上がり、トレーを片付ける。


お店を出る、その一瞬。


花乃がレジのほうを向いた気がした。

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