そろそろきみは、蹴られてくれ。
「頼まれること、なんで知ってるの」
「女子の歓声がすごかったから」
「それだけ?」
「……あと、目立つから」
「──かっこよかった?」
ぴた、と、まばたきさえも止めてしまった。
ゆっくりと目を閉じてから、開ける。
「走ってるとこ見て、ちょっとは思ったよ」
「……ふぅん」
え。答えさせておいて、そんな反応?
むっとして顔を向けると、
「手、どかしてよ」
「やだ。無理。いまほんとダメ」
前のわたしとそっくりだ。