どうして・・

···とんだ馬鹿だ


結婚式の日付もとうに過ぎた時
シティホテルからでようとすると
スーツ姿の男が立ちはだかる
「川本 新さんと
池谷 美春さんですね?」
と、言われて
ビクッとする美春を
俺は背中に隠して
「誰だ?あんた」
と、言うと
「まぁ、ここでは目立つので
こちらへ」
と、カフェに入る
「私は、怪しいものでも
池谷さんのお父様関係でも
ありませんので
座って下さい。」
と、言われて席に着く

美春の親父さん関係でないという
この男は、一体、と考えていると

「川本さん、貴方をお父様が
探していらっしゃいます。
今後の事について
お話がしたいようです。
池谷さんのお父様に連れ戻される
前に、ご両親に会われた方が
懸命ですよ。」
と、言われて
このまま、仕事に行けずにいたら
親父にも迷惑がかかる。

いや、もう十分に迷惑をかけている。

嫌がる美春を説得して
この人に依頼をした
弁護士の事務所に行くように
言われた。

その時、身分証明書と印鑑を
持って行くように言われて
場所と日時を知らされた。

俺は、あの時も
安易に考えていた。

彩羽の事も
両親にも、話せば
解ってもらえると·····

ほんと·····
  とんだ、大バカものだ。


そう思っていると
玄関から音がして
美春が入ってきた。
「新、ただいま~」
「飲んできたのか?」
と、訊ねると
「だって、新が仕事探せって
そしたら、キャッチされて
面接受けたら
今日からと言われたの
時給2000円だって。」
と、言いながらシャワーに行き
戻るとそのまま寝てしまった美春

酒臭くて気持ちが悪くなり
俺はソファーで寝る事にした。

翌朝、奥菜先生へと連絡をして
先生に会いたい旨を伝える。

先生からは、
「午後二時」と、言われた。

美春が起きてきたのは
お昼少し前で
今日も六時には仕事へ行くと
言ったので、
簡単に食事をさせた。

店のドレスは、レンタルらしく
給与から引かれるらしい。

楽しそうに話すこいつは
いったいなんなんだろうと
考える。

時間になり
俺は用事があると
部屋をでた。
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