契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
忖度

俊吾side-

前政権時代に成立したネオシティ法の施行に向け、水面下の準備が始まっていた。
最先端の情報技術を駆使して、利便性豊かな国作りをモットーに進められるネオシティ法。

国のIT技術の発展に、俺も大いに協力したくて、その国家事業の準備を担う『ナショナルデータ』のヘッドハンティングの話を受け入れた。

「君のような若手の者が国の未来を担う、大いに期待しているぞ。長谷川君」

「総理自ら、この俺を推薦して下さるなんて…光栄で御座います」

俺は総理の杯に徳利を酒を注いだ。

場所は赤坂の老舗料亭『梁山閣』
政治家や著名人が取引に良く使用される都心の料亭。

俺は年の暮れに周防総理に呼ばれ、密会。

「君は何か勘違いしているな…」

「それはどう言う意味でしょうか?」

「君を推薦したのは私じゃない…」







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