契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
花嫁の代役

俊吾side-

二十年前・・・

俺の後ろを付いて回っていた杏南も同じで大人の女性に成長していた。
遠ざかっていた存在が急に近い存在になるなんて。

俺と婚約者・安藤亜優さんが顔を合わせたのは見合い当日のみ。後はラインでのコンタクト。
長い黒髪に美人な顔立ち、性格は大人しく、父の会社の経理部で働く二十三歳。
良くしゃべる母親の方が目立ち、印象は薄かった。


AIが決めた俺の伴侶。

父と母のように契約書を交わし、後継者である男児を産ませてその子が成人すれば、契約は終了。
二人は契約通り、俺が成人した途端、離婚して、父は会社を従弟に任せて社長を退任。趣味だった陶芸を本業にして、長野の田舎で窯を持ち、陶芸家として活躍、母はハワイに移住して若い男の再婚してそれぞれ第二の人生を歩んでいた。

結婚はそんなもんだと思っていた。

でも、どうやら世間様の結婚は違うらしい・・・
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