身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「晴斗さんの指は、天才的な指ですね」

「え? なんだそれ」

 私の発言に晴斗さんはクスッと笑う。

「だって、お仕事では手術とかで人の命を救っているし、ピアノはあんな観客が集まっちゃうくらい上手いし、マッサージも上手です」

「それは、褒められてるってことでいい?」

「はい。めちゃくちゃ褒めてます」

「そっか、それは良かった」


 十分なくらいマッサージをしてくれた晴斗さんは、私のとなりに横たわる。

「おいで」と両手を伸ばして呼ばれ、そっと体を寄せた。

 晴斗さんは片手で私に腕枕をし、もう片方の手で包み込むように頭に触れる。

 その指先が丁寧に髪を梳いていき、思わず重ねるように晴斗さんの手に触れていた。


「私の好きな手……」


 大きくて温かくて、ごつごつしている男の人の手だけど美しくて。

 人を救って、素敵なメロディーを奏でて。

 そして、いつも私を包み込んでくれる、大好きな手。


「好きなのは手だけ?」

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