身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「本当に、来てくれたんですね」

「え、もしかしたら来ないかもとか思いながらここまで来たの?」

「あー、いえ、そういうわけではないんですけど、なんていうか……この旅行で、誰かと一緒にいる時間ができると思ってなかったので」


 率直にそんなことを口にすると、晴斗さんは「なるほど、そういうことか」と口にする。

 最初から最後まで、ひとりぼっちの旅行だと思っていた。


「あのっ、貴重なお休みを私なんかに付き合ってもらって、本当にいいんですか?」

「遠慮しようと思ったら昨日の時点で断ってるし、気にしなくていい」

 そう言った晴斗さんは付け加えて「それに」と続ける。

「ダイさんは沖縄案内してやれとか言ってたけど、俺も実はそんなに詳しくないんだよね。仕事でこっちに来てるだけだから、観光地巡ったりしたことないし」


 ダイさん――マスターの昨日の言い方だと、晴斗さんが沖縄に一通り詳しいみたいな調子だった。

 けれど、どうやらそんなこともないらしい。

 確かに仕事で来ていて職業柄多忙そうだから、休日にわざわざ浮かれた観光客で賑わう場所に行こうとは思わないかもしれない。

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