身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
あの日の代償


「宇佐美さん、となりの棚の在庫チェックお願いできますか?」

「はーい、わかりました」

「新商品入れる場所は作っておいたので、よろしくお願いします」

「了解でーす、ありがとうございます」


 開店前の棚出し作業。

 今日はオープンから夕方までの八時間勤務の予定だけど、パートやアルバイトのシフトによっては残業になることはざらだ。

 高校を卒業後、正社員の募集で面接を受け入社した、大型ドラッグストアチェーンでの接客業務。

 入社してすぐに登録販売者の資格を取得し、勤務もかれこれ七年目。

 昨年からは店長というポジションを任されている。

 週休二日制で一日労働八時間の週四十時間勤務。

 残業は多いほうだけどサービス残業ではないし、ブラック企業ではないところが長続きしている大きな理由だろう。

 入社当初は研修を含め様々な店舗に回り、今はひとり暮らしの自宅から自転車で通える近い店舗で働けている。

 バックヤード前に出してある段ボールをカートごと運び、陳列棚に並べていく。

 その商品が新商品の生理用ナプキンで、そういえば自宅の在庫がそろそろきれることを思い出した。

 帰りに買っていこうかな……?

 そんなことをぼんやりと考えながら開店準備を進めた。

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