二択
普段は真面目に過ごしている河東は、週末だけは…Bボーイ系の格好をして、クラブに通うのが好きだった。

ノリノリで帰る彼が近道をしょうと、大きな公園に入った時、三人の警察に呼び止められたのだ。

体につけた貴金属が、警官の持つライトに照らされた。

「何をしてる?」

少し高圧的な警察の態度に、何もやましいことはない河東はムッとした。

だから、こう言った。

「ただ…帰ってるだけです」

その言葉が、一人の警察をいらつかせた。


「ちょっと鞄の中を見せてみろ」

「どうしてですか!」

その言葉が、反抗的に思ったのか…警官は反無理矢理、鞄の中を物色しだした。


「これは、何だ?」

そこにあったのは、ナイフの形をしたキーホルダーだった。

勿論、切れる訳がない。

なのに、警官は河東を銃刀法違反で捕まえた。

「切れる訳がないでしょ!」

河東の言い分が、通るはすがなかった。


「詳しくは、署で」

ここで、河東の罪は決まった。

もう逃げることはできない。
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