【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
「……どうせ仕事もなくなって好きな男もいないっていうのなら、いっそのこと、その政略結婚に逃げ込んでもいいんじゃないか?」
——うっわー、鬼畜ぅー!
よくも、そんなことが言えるね?
あたしは隣でぺったりとひっついている万里小路氏を睨んだ。彼の腕はあいかわらずあたしの腰にまわっていた。
「あぁ……美々、ごめんな。
麗華とばかり話してるから、妬いた?」
——はあぁ?
あまりにも想像の斜め上を滑空していく彼に、あたしは言葉を失った。
「心配しなくても、おれが好きなのは美々だけだから……」
そして、あの「中谷さん」の笑顔が近づいてきて……頬に、ちゅっ、とキスされる。
——ぎゃあぁーっ、な、なにするんですかっ⁉︎
ちょっと、『演技』にしてはやりすぎなんじゃないですかっ⁉︎
あたしの顔から火が噴いた。
「やだぁー、直仁のデレまくった顔、気持ち悪い以外の何物でもないんだけどっ⁉︎
いくら婚約したばっかだからって、わたしの前でイチャつかないでよっ⁉︎」
麗華さんが憤慨するのも無理はない。
「ふん、うるさい。おれにとって、それだけ美々が『特別』だってことだ。
それに、おれたちの『新居』におまえが押しかけてくるのが、そもそもの間違いなんだ」
万里小路氏は、あたしの髪をいとおしそうに撫でながら言った。
——あ、あの……
そんな甘い言葉を囁かれているあたしの方が、口から砂糖を吐きそうなんですけれども……