贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

幼稚園の 合格発表の後で 悠樹は 私を労ってくれた。


「明日香が 毎日 頑張ってくれたから。本当に ありがとう。」

「いいえ。頑張ったのは 結愛よ。」

「もちろん 結愛は よく頑張ったけど。明日香が 結愛を ちゃんと 育てているからだよ。俺は 本当に 明日香には 感謝しているんだ。」

「悠樹さんは 仕事を頑張っているから。私は 家族を 守らないと。」

「俺が もっと 家族に関われれば いいんだけどなぁ。明日香には 苦労をかけてばっかりで すまないな。」

「そんな 苦労なんて。悠樹さんのおかげで 私達 こんなに 豊かな生活が できるんだもの。私こそ 悠樹さんには いつも 感謝しているの。」

「ありがとう 明日香。」

悠樹は 温かな目で 私を見つめてくれた。

私は 努力が 認められて 本当に 嬉しかったのに。


結愛が 合格できたのは 私の努力よりも 

悠樹の力の方が 大きかった。


たった3才で 特権階級の生活を

手に入れた 結愛…


これからも 私は 結愛の その生活を 

守っていかなければ ならない。


でも 私が どんなに努力をしても

悠樹の 財力がなければ 

この生活は 維持できない。


そのことに 気付いてしまったから

私は こんなに 寂しくて…空しいのかな。






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