贅沢な寂しさ ～身分違いの結婚

気後れして　固まってしまった私を

悠樹は　肩を抱いて　ソファまで導く。


「メリークリスマス。」と悠樹は言って。

私の手を取ると　指輪を嵌めてくれた。


「悠樹さん……？」

驚きと　感動で　私の唇は　ワナワナと震え。

やっと言った言葉さえ　掠れてしまうほどで。


「明日香…」

悠樹は　そっと私を　抱き締める。


「……」

私は　何も言えないまま　震え続けて。

夢中で　悠樹の背中に　しがみ付く。


「大丈夫だよ　明日香…」

そう言って　私の背中を　撫で続ける悠樹。

だんだん　気持ちが落ち着いて

私の震えが　おさまった時


悠樹は　静かに　私の顔を上げて　キスをした。


そっと触れるだけの　優しいキスの後

悠樹は　指輪を嵌めた　私の指に触れる。


「サイズは　大丈夫？」

「はい。ピッタリです。」

私の声は　まだ震えていて。

「明日香の指の　感触だけで　サイズを伝えたから。心配だったんだ。サイズが合わなかったら　交換できるって　言ってくれたけど。」

「ううん。このままで　大丈夫。本当に　ピッタリだから。」


指の感触で　サイズを当てた悠樹。

私と手を繋ぎながら　指のサイズを　考えていたの？


私は　胸が熱くなって　言葉がでない。


でも　これって　婚約指輪だよね？

悠樹さん…　いいの？