贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚

その夜 久しぶりに 早めに帰った悠樹。

「パパ お帰りなさい。」

嬉しそうな結愛に 抱きつかれて。


「ただいま。いつも このくらいに 帰れるといいんだけどね。」

悠樹は 優しい視線を 私に向けて言う。

「悠樹さんが 暇だと 社員みんなが 心配するわ。」

私が 笑顔で 強がりを言うと

悠樹は そっと 私の頭に 手を乗せた。


「結愛。ご飯食べたら パパと お風呂に入ろうね。」

「わぁーい。パパ 抱っこして 髪洗って。」


「今日のご飯は 何かな?」

「パパ 早く 着替えて ご飯食べようよ。」


私は 悠樹と結愛の会話を 聞きながら

胸が熱くなって 涙が滲んでしまう。


やっぱり 1人は 寂しくて 心細い。

悠樹が 近くにいるだけで 安心だから。


部屋着に着替えた 悠樹は 食卓を覗き

もう一度 私の頭に 手を乗せた。






< 41 / 90 >

この作品をシェア

pagetop