アウトサイダー

自分の望む音以外は、イヤホンで遮断して、自分の望む光景以外は、長い前髪で遮断する。


見たいもの、聞きたいもの…、
その一瞬一瞬の自分が欲していないものなんて、全てが無駄としか言いようがない。


17年間、思い返してみれば 他人の目を気にしたことがなかったし、望むもの以外、全てを上手く遮断して生きてきた。


…いや、違う。


何かしらを傷付けて、遮断していた。


余計なエネルギーを使うのがすごく嫌。


どうでもいい奴からの恋心、嫉妬、悪口、同情…。


ただただ、面倒臭い。


ひとつひとつ向き合っていくのがダルい。




あの時のあいつも、あいつも、あいつも…。


『信じてたのに』

なんて自分勝手な信頼押し付けてこないでよ。

本当に、鬱陶しい。

『大丈夫、あたしは全然気にしないよ』

とかなんとか言ってたあいつも、
周りの目なんか気にせず 味方になってあげてる自分、格好良い…みたいな下心、気持ちが悪かったなぁ…。

『何で女のくせに男の制服着てんの?』

って、正直 お前に関係ないだろ。

何でいちいち人のことに首突っ込んでくるわけ?

そういうの、本当にウザい。

『ごめんなさい、私、やっぱり同性愛者は受け入れられいよ』

だって?


『え、あたし レズと友達続けんの、しんどいんだけど』

だって?


…誰彼構わず受け入れてもらおうなんて、思ってないんだよ。

たいして理由もなく否定する奴なんか、間違っても好きになんかならないし。


同性愛者ってこと、バレたらキモがられるし、公言したら引かれる。


同性愛者ってだけでサンドバッグにされんの、正直…、悲しい。

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