世界が終わるとき、そこに愛はありますか

車内

「…起きろ。時間だ」


心地良い低音ボイスが耳元で鳴った。


「…ん……あれ…朝…?」


「昼だ。お前はいつまで寝てるつもりなんだ」


そうだ…。


昨日の夜、起きて深景さんを待ってたけど、午前3時を回っても帰ってこなかったから寝ちゃったんだ…。


「昨日は悪かったな。起きて待っててくれたんだろ」


「……まぁ」


話の続きが気になって寝られなかったっていうのも一つだけど。


「てか、ベッドまで運んでくれたんだね。ありがとね」


あたしが寝落ちしたのはソファ。


ベッドに行く気力すらなくなって、諦めてそのまま寝たはず。


「…あのさ、深景さん」


「昨日のことは全部忘れろ」


え……。
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