世界が終わるとき、そこに愛はありますか

犯人

「広いね」


涼の家も、深景さん家と同じくらいの広さがある。


暖色が多く、生活感がある家だ。


男の一人暮らしって感じに、適度に散らかっている。


「深景ん家ほど綺麗じゃなくてごめんね。寝泊まりはできるだろうから、しばらくここにいたらいいよ」


涼に甘えてここまで来ちゃったけど…ホントに良かったのかな……。


「ね、雪花ちゃん。電話の用件って何だったの?」


あたしをソファに座るよう促す涼。


そのソファの横にはタンスが置いてあって、上にはたくさん写真が立てられている。


どれもこれもお姉ちゃんの写真だ。


捨てずに置いてるってことは、今でもお姉ちゃんのことを忘れないでいてくれてるんだね…。
< 443 / 490 >

この作品をシェア

pagetop